青春のイーストエンド

CULT FLOWERSボーカリスト小川敦也のレコード日記

2009年10月

札幌ライブ2連発。
ベッキーとひと足先に東京に帰って来たよ。

ありがとう札幌。

2日とも楽しかった!!
たくさんの人が見に来てくれて嬉しかった。
札幌は故郷なんだなと感じた。

なんか札幌を離れてから、
行くたびに少しずつ札幌を好きになっている気がするよ。
今日はまたすぐに行きたいと思った。

札幌の友達や、見に来てくれたお客さんのおかげだよ。
ありがとう。

今回いつもは東京にいるはずの友達や大好きだった人達に、
札幌でたくさん会って不思議な感じだった。

偶然札幌に来ていた元The VOXのおー君もライブを見に来てくれた。
同じ時期に東京に来て、東京では何度か遊んだけど、
札幌のライブハウスで会ってるのが不思議な感じだったね。

なんだか2003年の夜に戻ったみたいだった。
あの頃は毎週のようにライブハウスやツアーやスタジオで会ってたもんね。

おー君、カルトフラワーズ見るの初めてだよね。

ライブのあとおー君が言ってくれたひと言がすごく嬉しかった。


おー君と写真を撮ったよ。

backto2003.JPG

「ラストシーンは白紙のままだ」って2003年におー君は歌ってたんだ。


午前5時、夜明け前のミッドタウン。
雨の中をひとりで歩いたよ。

雨は止みそうにないし、まだまだ寒いし、
相変わらず傘も差さずにね。
傘は買って持ってたけど、
あっても無くてもどっちでも良かったんだ。

そんなことは大した事じゃないんだよ。


友部正人は歌う。
「どうして旅に出なかったんだ。
行っても行かなくても同じだと思ったのかい?」

ボブディランは言う。
「僕が旅から帰ったら今度はあんたが旅に出るべきだ。
出るべき旅はたくさんあるのだから」

あ、これはケルアックだったかな?
ちょっと確かじゃないけど。


グランドセントラルターミナルからJFKへ。
ニューヨークの街を背にバスに揺られながら思った事は、
僕にしかわからないほんの2、3の些細な事。

だけどいつか君がニューヨークを旅した時は僕に話しかけてくれよ。
ほんの2、3の些細な事をわかりあえるかもしれないね。

大した事じゃないけどさ、
それはきっと素敵なことだろ?

kotaehaaoiniji.JPG


この日はとにかく歩き回った。
ニューヨークをね。確かめるんだ。

グランンドゼロ。
あのワールドトレードセンターの跡地。
僕は確かにこの目でそれを見た。
確かにね。

それから、ダウンタウンを歩き回る。
この辺りの街は情が深くて大好きだ。
グリニッジビレッジ。イーストビレッジ。チェルシー。
建物とか街並みとか歩いてる人とか優しかった。
レコード屋とか古本屋もたくさん!安いしね。

駄目そうな奴もたくさん歩いてた。
嬉しくなる。ロンドンみたい。

そうだ!チェルシーホテルにも行ったんだよ。
ロビーに入ってソファーに座って写真も撮ったのさ。


夕暮れ時、エンパイアステートビルの86階、展望室から摩天楼を見た。

どこまで見渡せるのかななんて思いながらさ、俺そこから手振ってたんだよ。

東京の夜明け頃。

誰か見えた?

newyork3.JPG


世界の交差点。

タイムズスクエアからソーホー。

グラマシーからブルックリン。

ペンキまみれのサブウェイに揺られひとり行く。

どうしてって?


そう!
今日ニューヨークにTHE HORRORSが来てるんだ。
ほんと偶然。ツアー中だったみたい。
ブルックリンにある「ホール ウィリアムズバーグ」ってとこでライブがあるんだよ。

あ、今キーボード打ってて気付いたんだけど、このライブハウスの名前、
「ウィリアム・バロウズ」と「アレン・ギンズバーグ」の名前合わせてるんだね。きっと。
いや違うか、ウィリアムズバーグって地名だもんね。
偶然か。まぁいいや。

そう、ホラーズを見に行ってきた。

かっこよかったよ。うん。
かっこよかったんだ。本当に。
だけどね、そうじゃないんだ。
そんなんじゃないんだよ。そんなもんじゃないんだよ。
あの日僕の心の中に起きた出来事は。

あの日、あの場所で感じた事を僕は簡単に言葉には出来ないな。
そして誰にも教えたくない。
心の中にぐっさりと刺さった宝石なんだよ。
誰にも見せたくない。

だってさ、東京から来た僕がロンドンから来たホラーズをニューヨークで見てるって、
そんな出来事、なんて言ったらいいんだい?

想像してごらん?
ニューヨークに流れ込むロンドンの青い風を。
言葉も通じない街でたったひとりで感じていたんだよ。

身震いするような瞬間。

真夜中のニューヨーク、ブルックリンでの出来事。

鍵は閉じたまま。誰にも教えない。

newyork2.JPG


ニューヨーク。

寒い。とにかく寒い。雨どしゃ降り。
気温、摂氏にすると6℃くらい。

JFK空港からバスでグランドセントラルターミナルへ。
中に入ると、大好きな映画「12モンキーズ」で見た光景が
目の前に広がっててドキドキした。

それから歩いてホテルまで行ったんだけど、
傘無いし、寒いし、びしょ濡れでへこたれそうになったなぁ。
俺、寒さにめちゃめちゃ弱いからさ。
夜8時前くらいにホテル着いたんだけど
ホテルもすきま風ビュービューでめちゃめちゃ寒い。

そんなもんだから、雨もひどいし、今日はもう断念。
明日に備えて毛布にくるまって寝る事にした。


携帯に入ってる斉藤和義の「アメリカ」を聴きながら寝た。
なんて優しい声なんだろう。
大好きだ。


知らない街。
世界の真ん中の、安ホテルのベッドの上に僕は今ひとりきりでいる。
電話も通じないし、言葉も通じない。
この街じゃ誰ひとり僕の事なんか知らない。

どしゃ降りの雨の中、ひとりでそう思うだろう。


大事な時、人はひとりになるべきだ。
ひとりで旅をするべきだ。

ボブディランも友部正人もきっとそう言うだろう。

newyork1.JPG


明日からニューヨークに行ってきます。

向こうはもう寒いみたい。
ひとり冬の空を行くよ。
相変わらず荷物は少なく。

「小さなキャンドルは、静かに燃えるよ」
これなんの歌か知ってる?

なんてロマンチックなんだろう。

ittekimasu.JPG


新しいCULT FLOWERS。
ベッキーとのライブ楽しかった!!
もっともっとライブをやりたい。

新曲「青い虹」。
早くたくさんの人に聴いてもらいたい。
本当にそう思う。
だっていい曲なんだよ。
ロックンロールなんだよ。
自分でそう思えないなら歌ってないよ。

POP中毒さ。not アンダーグラウンド。
not サブカルチャー。

POPで居続ける事の方がクレイジーなんだ。
POPでいる事の方がアナーキーなんだよ。
アンダーグラウンドに潜る事なんて簡単に誰にだって出来るんだよ。

つまり、美しいものを破壊して見せる事なんて簡単にすぐに出来るけれど、
美しいものを創り出す事の方がよっぽど難しいって事。

それが出来ないならロックンロールじゃねぇ。

セックスピストルズもブルーハーツもリバティーンズも
本当に美しかったよ。

彼等は創り出した。
それがあまりにも美しすぎたから、
それまでの歴史が粉々に崩れ去ったんだよ。

SEX PISTOLS「ANARCHY IN THE U.K.」
THE BLUE HEARTS「人にやさしく」
THE LIBERTINES「UP THE BRACKET」

7inch.JPG


THE KILLS「midnight Boom」

最近手に入れたアナログ盤。
ここ何日かずっとこればっかり聴いてるよ。

このアルバム最高なんだよ!
ジャケが最高で、タイトルも最高。
って事は中身も最高に決まってるんだよ。
これはロックンロールのレコードの法則!
本当だよ。


VIVI嬢に憧れる。

まずファッションセンスにドキドキしちゃう。
CoolでBitchでロマンチック。

で、ルックスにやられる。
デカダンでキュート。

最後は声にトドメを刺されておしまいさ。


VIVI嬢、DEAD WEATHERの時もいいけど、
やっぱKILLSの時の方がいいね。

killsmidnightboom.JPG


↑このページのトップヘ